上高地と完璧な循環

上高地に行ってきました。

真夏だというのに山は涼しく、気温は22度。
夏の陽の光を浴びてぐんぐん伸びる、生命力に満ち溢れた森を歩きます。

小さな芽、大きな木、腐った倒木、その上に生える苔、影に潜む虫、奇妙なキノコ、この森に無駄なものは一切なく、それぞれがそれぞれの力を借りて、助け合って生きています。
エメラルドグリーンに透き通った川は森を潤し、山を下り、さらに低地に住む生物たちのために海まで駆け下りていく。そして雨雲になって再び山に帰って来ます。

そんなことを考えると、いつも不思議だなぁと思うのです。
どこかの大天才が考えたとしか思えない、無駄のない循環システム。
自然にこんなシステムが出来上がったなんて、奇跡としか思えない。
私は宗教とかは信じないタチですが、この完璧な循環システムについて考えるたびに、やはり神様のような人がどこかにいるのかなぁ、なんて思います。

身体は血液の循環で出来ているし、食物連鎖もそうだし、経済もお金の循環なわけだし、この世の中の大切なものって循環で出来上がっているのかもしれない。

私たちは大きな循環が作る身体の中の、ひとつの赤血球なのかもしれない。

少なくともこの完璧な循環を邪魔する、血栓のような物にだけはなりたくないなぁなんて、ぼんやり考えながら歩いた上高地でした。

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